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[ 作品の題名 ] 14年待って・・・

 バイクってかっこいい。そう思ったのは高校を卒業した春休み。宮崎でのことだ。
最初から語り出すと、一冊の本になりそうなくらい私の人生はややこしい。
 しかしここでそれを語っても仕方がないのである。
 とにかく5歳の頃から親元を離れ、祖父母の元へ養女に出ていた私。車の免許くらいは取らせてやりたいという母の親心で(すでに父は他界していた)田舎の方が安いからとわざわざ茨木から住民票を移して宮崎の教習所に通わせてもらった。
 教習所に通った1.5ヶ月の間、何台ものバイクを見た。
それまでは、バイクなんて格好いいと思ったことがなかった私の目には(実際バイク=暴走族だったもんで)正統派のライダーはこんなに優しい走りをするんだと思わせてくれた。
 だって、たかだか住宅地の横断歩道で、きちんと止まってくれるバイクなんて見たこと有ったか?・・・無い!!
 ぼーっと見送る私たち(姉と一緒だった)に誇らしげにピースサインを残して走り去った彼らは、ほんとに別世界から来たヒーローのように移ったよ。
 いつかあれに乗りたい!!!!
考えてみると単純なやつさ。
 しかし・・・車の免許を取って帰ってきた所は、封建主義のくそ爺の居る我が家だった。
 見果てぬ夢だったなあ・・・私の想いはそこで一度とぎれるのである・・・
 堅苦しい家から出たい一心で21歳で結婚。少ない生活費の中から必死の思いでお金を貯めたさ。
 何とかお金を貯めて、教習所に行き,恐る恐る「中型免許とりたいんです」        
  受付のお姉さん曰く「教官に許可をもらってきて下さい」
・・・何でだよ〜〜金払うのはこっちだろ〜〜・・・当時の私はこの程度のやつだった・・・
 しょうがないから、教官の所へ。
「中免とりたいんですけど。」
すると教官、いきなり跨っていたバイクを転がし、「起こしてみ〜出来たら受けさしたるわ〜」
げっ!!!ミニスカートにハイヒールの姉ちゃんに言うことかい?
むっとしつつも、軽々とその400?のバイクを起こしてしまった私に
「オーやるやん。ほな手続きしてきー」
結構うれしそうな教官。ま、さっきの態度は許したろ。
 教習所でのことって、あんまり覚えてない。四輪の時の方がよく覚えてるくらいだ。それだけ必死だったのかな・・・
 しかしである。待望の免許を手にしたとたん、体の不調・・・
妊娠・・・・・なけなしの貯金の行方が決まった。
なーんか「おまえは乗るな!!」って神様に言われたような気がした。
 それから14年経った。その間、離婚、再婚、二人目の出産と、翼のことなんぞ思い出す暇もなかった。

 しかし今こう思える私が居る。

あの頃の私のままでは何かが足りなかったんだ。

 今の私は、色んなものを背負って走っている。
単にすっ飛ばして格好つけている訳にはいかないのである。
あの頃のままでは、たぶん私はここに居なかったんではないかと思う。

愛するレブちゃんを手に入れるまでにもちょっとしたドラマ(単なる大騒ぎ)があったんだけど、それは又の機会に。

14年待ったおかげで、純粋に走ることを楽しめる私が居る。

アメリカンバイク。あの頃は知りもしなかったスタイルのバイクに、今私は跨っている。とても幸せなのである。

後何年ライダーで居られるだろう。

しかし、いつでも私の目標は”笑って死ねるような人生”だ


無学なお母ちゃんのとりとめもない書き散らしにお付き合い、ありがとうございます。

[ 作者 ] やすこ

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