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[ 作品の題名 ] 私がアメリカンに乗っているワケ
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こんなコーナーが出来たから何か書きたくなった。だけど何を書いていいのか判らない。判らないままキーボードに手を走らせている。まあそのうち思いつくだろう。
22で免許を取ってから乗り継いだ単車は4台。SR125から今のVIRAGOまで、全てがアメリカンだ。他の単車には興味があっても、自分の乗る単車ではないと最初から決めてかかっているところがある。理由は自分でも判らない。ただ、最高速やコーナリング性能を誇る単車は合わないとはっきり思っている。競争心が無いんだ。だから抜かれても悔しいとは思わない。勿論、マナー違反の追い抜き方にはアタマに来るし、そういうヤツに対しては結構陰湿なリベンジを企むよ。だけど、たとえスクーターにスカッと抜かれても、おおよく走るねえ捕まらないように気を付けなよ、と思うだけなんだ。これじゃせっかくの高性能を持って生まれた単車が可哀想じゃないか。 そうだ。今日は私と単車の馴れ初めを話してみようか。 高校を新設の進学校で無菌培|養された私は長崎でとっつき難くアタマの硬い学生になった。われながら可愛くなかったと思うよ。化粧もおしゃれもしなかったし流行りモノにも興味が無かった。 その頃の私の単車観。 「郵便屋さんのカブ以外はみんな暴走族」 笑っちゃいけない。50ccスクーターが出る前の話なんだ。 ただサークルには入れこんでいた。そのサークルが演劇部だった。裏方が好きで、かなづちや鋸を振り回すのが楽しくてしょうがなかったんだ。 ここに一人の人物が関わってくる。 その人の名をカワサキさん、という。演劇部で1年先輩だった人だ。 長崎はご存知の通り坂の町。学生たちの棲家も当然坂に囲まれている。自転車でなんて登れないような坂だったから、みんな単車で通学していた。それもまだラッタッタもなかった頃だから、250や400の単車が多かった。 カワサキさんもその一人だった。でっかい単車に乗っているのは知っていた。だけどなんの興味もなかった。19の誕生日までは。 誕生日の夜。公演前のそろそろ煮詰まってきた頃だった。大道具作りが終わり、みんなと夕食を食べてから帰ろうとしていた私をカワサキさんが呼び止めた。 「セブン、今日は誕生日やったんか。ワシはなんもプレゼントのなかっけんが送っちゃる」 とカワサキさんは私にヘルメットを渡してくれた。内心びびった。だけど可愛くない子だったから平気な振りして受け取った。 恐る恐る被ったヘルメットは頭に重かった。 そして、長崎の夜は今まで知らなかった顔を見せてくれたんだ。 あの夜のツーリングは忘れられない。 そんなことを言うとカワサキさんは照れ笑いで言うかもしれないな。「セブン、そげんことゆうたらなんぞ勘違いばされっことあーぞ」ってね。勿論誤解されるようなことなんかなかったんだけど、気が付かなかった道や風景や風の音、タイヤを介して伝わる路面のうねりのことは何度単車に乗っても忘れることはないだろう。 カワサキさんは私だけでなく、同じ年代の皆を可愛がってくれた。水産学部の学生でガタイがでかくて恐ろしげだったけどとてもいい人で、まるで私達の兄貴分だった。特に単車に乗っているヤツや単車の好きな女の子は目をかけてくれたっけ。部室にたむろしては暇を見て「ツーリング」に連れて行ってくれたものだ。 反面、カワサキさんは単車に乗ることに対しては厳しかった。飲酒運転は絶対に許さなかったし自分でもしなかった。だから私はお酒を飲んでいるカワサキさんは殆ど見た事がないんだ。 それから単車乗りのマナー。二台以上での走り方、ピースサインの出し方、郊外と街中での走り方の違い。単車乗りの基本は単車に乗らなかった私にもきっちり教え込まれた。今でも私の走りの基本はカワサキさんに教わったものだ。 で、なんでアメリカンかって? カワサキさんの単車がアメリカンだったんだよ。 スズキのGS400Lという単車だった。当時の私にはバケモノのようにでっかく見えたもんだ。 飛ばせるときは飛ばして、無茶できないときは無茶しないように。アメリカンは自分のスタイルで走れる。そんなことをカワサキさんは教えてくれたっけ。 自分で乗るようになって判ったんだけど、それはアメリカンは性能に降りまわされることなく、信号で並んだ単車の挑発もなくのんびり走れるってことだったんだ。 そして私も自分のスタイルを見つけた。 旅するアメリカン。 これが私の走り方だ。 ちょっと気取った言い方を許してもらえるならば、アメリカの何処かの部族の若者が、丹精して育てた馬に乗って旅をしているような。 お互いを信じつつ、どこまでも旅が出来るような。 そんな走り方をしたいんだ。 もしかしたらカワサキさんの背中を追いかけて走っているのかもしれないけどね。 今でも私の理想はカワサキさんの走り方だから。 今日はこれでおしまい。今度お会いしたら四国ツーリングのお話でもしようか。 読んでくださった方へ> これは「叩き台」です。「なんだ俺の方が文章上手いぞ」と思われたでしょう。そう思ったらあなたも作家の仲間入りをしましょう。そしてこのコーナーを盛り上げてください。 |
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[ 作者 ] SEVEN
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